今世紀前半のチェコを代表する作家。1938年にノーベル文学賞候補となったが、その直後に48歳で死亡した。「ロボット」という言葉を作ったことでも知られる。
様々なジャンルで筆をふるった才人であり、その作品は、純文学からSF、推理小説、戯曲、童話、評論、伝記、旅行記、エッセイ、新聞のコラムにいたるまで、実に多岐にわたっている。その作風も、大胆な空想の世界へ飛翔しながら文明の行く末を見通したもの、軽妙なウィットやユーモアを飛ばしながら人間や生き物を見つめたもの、人間の苦悩を凝視しながら哲学的な問を問うたものと、実に多彩である。
主として「人間にとって真実とはなにか?」という問を追求した純文学的作品群には、代表作である長編三部作『ホルドゥバル』『流れ星』『平凡な人生』のほか、『受難像』『苦悩に満ちた物語』『外典』などの短編集がある。また、文明の趨勢と人間の愚かさに警告を発したSF的作品群には、『ロボット』『山椒魚戦争』『白疫病』などがある。このほか、『一つのポケットから出た話』のような推理小説、『長い長いお医者さんの話』のような児童文学、『マサリクとの対話』のような伝記文学、『園芸家12ヶ月』のようなエッセイなど、様々な分野で面白い作品を残した。
チャペックの生涯にわたるパートナーであったのが兄のヨゼフ(1887-1945)。カレルの作品を初めとする装丁、挿絵で有名だが、カレルとの合作、また自らの作品もあり邦訳もある。
第1巻 | 受難像 | 石川達夫訳 | 四六判上製 | 200頁 | 本体1942円+税 | 1995.10 |
第2巻 | 苦悩に満ちた物語 | 石川達夫訳 | 四六判上製 | 184頁 | 本体1942円+税 | 1996.10 |
第3巻 | ホルドゥバル | 飯島周訳 | 四六判上製 | 216頁 | 本体2136円+税 | 1995.05 |
第4巻 | 流れ星 | 飯島周訳 | 四六判上製 | 228頁 | 本体2233円+税 | 1996.05 |
第5巻 | 平凡な人生 | 飯島周訳 | 四六判上製 | 224頁 | 本体2300円+税 | 1997.07 |
第6巻 | 外典 | 石川達夫訳 | 四六判上製 | 240頁 | 本体2400円+税 | 1997.07 |