はじめに
1 ソ連軍の樺太進駐直後の混乱期
2 軍政府による施策──厳戒体制下の漁業
3 民政局の創設──事態の正常化へ
4 ソ連民政局最初の司令書
5 民政局の課題と政策──社会主義制度の導入
6 全分野における国有化の実施と新法制
7 南サハリンの産業の現況と復興への方策
8 地名の変更──日本語名からロシア語名へ
9 教育・学校
10 医療問題
11 住宅問題
12 新聞・ラジオの復興とイデオロギー教育
13 ソ連の祝日と日本人
14 宗教に関わる問題
15 文化活動と娯楽
16 ドイツ領占領地ケーニヒスベルクの例
17 サハリンの日本人の状況
18 日本人の引き揚げ
19 ソ連人の南サハリン移住の開始
20 ソ連人サハリン移住者の出身地
21 サハリン州の誕生
補 遺
最後の樺太庁長官 大津敏男について
南サハリン州民政局長官 ドミトリー・ニコラーエヴィチ・クリューコフについて
原 註
解題 I 千島・樺太の国境・植民・戦争 天野尚樹
解題 II 旧住民から見たサハリン島の戦後四年間 中山大将
訳者あとがき
地 図
年 表
索 引
エレーナ・サヴェーリエヴァ
サハリン州ユジノ・サハリンスク市出身、1985年ユジノ・サハリンスク教育大学(現・国立サハリン大学)歴史教育学科卒業、「記念碑等保全協会」を経て、1991年から2006年まで「国立サハリン州歴史文書館」勤務、この間出版部および文書利用研究部長、その後同文書館副館長を務める。2006年からはサハリン州文化局文化遺産保全部部長。これまでの代表的業績に、「大転換の時代:ドミートリー・クリューコフについて」(『サハリンの知事たち』2000年)、「サハリンとクリール諸島:歴史の重要な段階(1945─2011)(『ロージナ』2012年第1号)、「サハリンの文化:新しい道への出発点(1940年代後半─1950年代)」(『サハリン文集年鑑』2012年第1号)、他論文多数、A・チェーホフのサハリン旅行に関する論文も多い。
小山内道子(おさない・みちこ)
東京教育大学文学部史学科(西洋史専攻)卒業。プーシキン記念ロシア語大学留学(モスクワ)。元北海道教育大学ロシア語非常勤講師。翻訳家。訳書:『トマス・モア』(御茶の水書房、1981)、『トナカイ王──北方先住民のサハリン史』(成文社、2006)、『わたしの歩んだ道 父片山潜の思い出とともに』(成文社、2009)、『始まったのは大連だった──リュドミーラの恋の物語』(成文社、2012)、主な論文:来日ロシア人研究会論集『異郷に生きる──来日ロシア人の足跡』I─Vに所収(成文社、2001、’03、’05、’08、’10)。
天野 尚樹(あまの・なおき)
福島県生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒、北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化論専攻博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。ロシア極東近現代史・サハリン島地域研究専攻。北海道情報大学講師、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター学術研究員。主要論文に、「見捨てられた島での戦争:境界の人間/人間の境界」(原暉之編『日露戦争とサハリン島』北海道大学出版会、所収)などがある。
中山 大将(なかやま・たいしょう)
北海道出身、2010年京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(農学)号を取得し、日本学術振興会特別研究員PD(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター所属)などを経て、2015年から京都大学地域研究統合情報センター助教。これまでの代表的業績に、『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成』(京都大学学術出版会、2014年)、「サハリン残留日本人」(蘭信三編著『帝国以後の人の移動』勉誠出版、2013年)、「樺太への人の移動」(吉原和男ほか編『人の移動事典』丸善出版、2013年)など。