告知
わたしたちが眠りに落ちる時……
都市の精神が集約される三つの基本施設のうち……
古くから重要な交叉路であるプラハでは……
斜面、曲がり角、パノラマ……
(ペトシーンの丘……)
究極の問題……
都市の中心……
(六〇年代のある日……)
ヴァーツラフ広場をムーステクへ……
プラハ、秘宝、そして「精神」について語られる時……
(小地区に暮らす人々は……)
隠れた中心を見つけようとすればするほど……
(ある時、きみは……)
次なるプラハのどこかは……
(バルトロムニェイスカー通りで……)
ほかの都市にも灰色はあるが……
変化に富む起伏、そして過去へ突然回帰できるという点で……
(以前のきみは、はるか上の方を見上げたことなどなかった……)
プラハの居酒屋……
三面記事……
いずれの都市にも、空白の部分がある……
(プラハにあるいくつかの「僻地」では……)
プラハ最古の地区における本当の秘密……
緩やかに湖底へ誘われていくように……
なにをつけ加えるか? プラハを映した写真の灰色は……
帰還
訳者あとがき
ペトル・クラール(Petr Kral)
1941年、プラハ生まれ。詩人、翻訳家。プラハ音楽芸術アカデミー映画科を卒業後、映画叢書の編集者を務める。1968年にフランスへ亡命。1980年代以降、フランス語で執筆した詩集・評論などを次々に発表。その分野は、シュルレアリスム、映画批評、写真論、都市のエッセイと多岐にわたる。十数冊におよぶ詩集のほかに、『ビュルレスク、あるいはクリームケーキのモラル』(パリ、1984年/プラハ、1998年)『シュルレアリスムにおける写真』(プラハ、1994年)といった著作がある。
阿部 賢一(あべ・けんいち)
1972年、東京生まれ。東京外国語大学卒業後、カレル大学、パリ第IV大学に留学。現在、武蔵大学人文学部専任講師。専門は、中欧文化論。著書に『イジー・コラーシュの詩学』(成文社、2006年)がある。