序 文
第1篇 マルクスの社会思想史的考察
第1章「自己労働に基づく私的所有」に関する思想史的考察
第2章 科学的社会主義の形成──初期マルクス、エンゲルスの思想──
第3章『共産主義者同盟 文書および資料』の意義について
第4章 史的唯物論の基本概念──その動態的把握──
第5章「生産様式」概念再検討の意義について
第6章『資本論』段階の史的唯物論──大野節夫氏の「著書」、「報告」、「論文」の吟味──
第7章 史的唯物論をめぐる近年の論争について──「市民社会」論と社会主義──
第2篇 ゴットシャルヒ・ヒルファーディング・カウツキーの社会思想
第8章 現代ドイツ社会思想史の課題──W. Gottschalchの二著書を通して──
第9章 ヒルファーディング『金融資本論』の新たな全体構造把握の試み──『金融資本論』から遺稿までの展開を踏まえて──
第10章「経済領域」とは何か
第11章 ヒルファーディング『金融資本論』における「社会化」論
第12章 ヒルファーディングの「社会化」論──権力問題との関連で──
第13章 大蔵大臣ヒルファーディングのライヒスタークにおける予算演説(1929年3月14日)
第14章『ルードルフ・ヒルファーディングの理論的遺産』再考──上条 勇氏による拙著書評論文に答える──
第15章 カール・カウツキーのユダヤ人問題把握について──相田愼一氏の批判に答える──
第3篇 補論・書評・随想
[1] 服部文男氏による新訳『共産党宣言』について
[2]『経済学・哲学草稿』におけるマルクスの立場──ルートヴィッヒ・フォイエルバッハとマルクスの関係──
[3] マルクス抜粋ノートHeft V(1844)の構成と表紙の〈落書き〉
[4] 書評:植村邦彦『マルクスのアクチュアリティ──マルクスを再読する意味』
[5] 宇野弘蔵氏のヒルファーディング批判に対する疑問
[6] 書評:倉田 稔『若きヒルファディング』
[7] ヒルファーディング『金融資本論』の成立の一齣
[8] ヒルファーディングの最期の足跡を尋ねて
[9] カール・レンナーRenner, Karl Matthias(1870-1950)──Rauscher(1995)を土台にして──
[10]【私の研究】社会民主主義の新たな把握をめざして
[11] 書評:萬谷 迪『世界開発と南北問題──20世紀世界経済の課題と発展途上地域』
【付録】初期習作・断片
[1]「宇野理論」とは何か──いわゆる三段階論批判──
[2]「宇野理論」の形成過程
出典一覧
人名索引
黒滝正昭(くろたき・まさあき)
1943年東京生まれ。1970年東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在宮城学院女子大学教授。経済学博士(東北大学)。
主要著書『ルードルフ・ヒルファーディングの理論的遺産──『金融資本論』から遺稿まで──』(近代文藝社、1995)、後藤・黒滝・大和田編『社会科学の世界』(梓出版社、1992)、黒滝・相田・太田編著『ポスト・マルクス研究──多様な対案の探求』(ぱる出版、2009)