はじめに
第1章 本書の課題と構成
1 序/2 日本と沖縄における戦争の終結 /3 終戦過程の戦後への連続(米国の場合)/4 終戦過程の戦後への連続(日本の場合)/5 沖縄の日本からの分離/6 本書の構成
第2章 原点としての沖縄戦
1 序/2 沖縄戦への道/3 作戦構想としての沖縄戦の準備/4 戦術としての沖縄戦(南部撤退の諸問題)/5 北緯三〇度線の誕生/6 小結
第3章 降伏
1 序/2 日本側の「終戦」過程/3 米側にできた「奇妙」な境界/4 降伏境界線の画定/5 日米間の「終戦観」と辺境における交渉の難航/6 軍政の分岐点/7 ポツダム宣言と北緯三〇度線/8 小結
第4章 急がれた基地建設
1 序/2 米国の戦後軍事政策および戦略/3 基地拡大政策の制約/4 沖縄における基地建設のラッシュ/5 小結
第5章 米軍の動員解除
1 序/2 動員解除の準備/3 動員解除の展開/4 太平洋における動員解除の危機/5 小結
第6章 引揚げ
1 序/2 占領の軍事的性格と引揚げの初期段階/3 早期の武装解除と引揚げ/4 連合国の事実上の政策変更/5 連合国による「非日本人」の確定/6 海軍軍政府の管轄圏域の拡大/7 小結
第7章 選挙
1 序/2 急がれる選挙/3 終戦連絡中央事務局の困惑/4 周辺諸島における選挙の問題/5 選挙問題から領土問題へ/6 ことばの力/7 小結
第8章 沖縄の分離過程
1 序/2 領土分離の初期の兆候/3 選挙実施領域の解決策/4 行政分離による決着/5 分離後の日本と沖縄/6 分離後の領土再編/7 小結
第9章 結論
1 序/2 終戦が降伏で終わらなかった理由/3 終戦が戦後に連続した理由(米国の場合)/4 終戦が戦後に連続した理由(日本の場合)/5 結
あとがき
註/参考文献/索引
コンペル ラドミール(Radomir Compel)
チェコスロヴァキア出身(チェコとスロヴァキアの双方で育つ)。横浜国立大学国際社会科学研究科博士課程修了、博士(国際経済法学)。現在、長崎大学多文化社会学部准教授。専門は比較政治学。
主要著作・編著・論文に『芦田均日記一九〇五~一九四五』(第5巻=解題及び人名録、柏書房、共著)。主要論文・編著にGuns and Roses: Comparative Civil-Military Relations in the Changing Security Environment. New York: Palgrave Macmillan 2019.(共編著)、Palgrave Handbook of Ethnicity. New York, NY: Palgrave Macmillan, 2019.(共編著)、「太平洋戦争における「終戦」の過程―沖縄統治の形態と範囲をめぐる軍事と行政の相克」『横浜国際経済法学』18(3)、2010年3月、75-112頁、「日本国憲法の制定と沖縄の関連性」『横浜国際経済法学』21(3)、2015年3月、323-352頁、“Diplomat Ashida Hitoshi and the Turkish straits in the 1920s.” Yokohama Law Review, Vol. 19, No. 3, Mar. 2011.などがある。