プロローグ──一九九三年十二月三十一日──
第一章
資本主義の実験場へ
一九九四年夏──モスクワ
大学は迷路
学生時代
知らない街へ
お湯が出ない
銀の森のヌーディストたち
サービスって、ブランドって、コミュニケーションって何
入社四か月で倒産
再就職、転職、失業、独立へ
ターニングポイント
ミドルの宴
ダスビダーニヤ(さようなら)モスクワ
第二章
先行投資
交渉成立
アートフラワー販売スタート
創造性とオリジナリティ
賃貸アパート事情──何処に泊まる
事実は小説よりも
ホテルの地下防空壕
事務所を借りる
おかかえ運転手
ロシア式誕生パーティ
三人のジーマ
謝らない文化
台本なしの本番
クリシャ(屋根)について
曇り日の影
第三章
日系企業のコンビニ
七回転び、七回起き上がる
わたしたちは気持ちで動く
ロシア人はビジネスに不向き
マッチングビジネスのミスマッチング
身内の絆
親切とお節介は紙一重
ロシア人を雇用する
ロシア人的嗜好
撤退した日本のカフェ
悩ましき滞在証明書
宇宙を描くアーティスト
大衆消費社会へ──ホップ、ステップ、ジャンプ
日本人のなかのロシア
わたしのロシア
出会いから生まれたライフワーク
エピローグ──みんなドストエフスキー──
「和製アレクシェーヴィチ」の誕生に期待する(寄稿=長縄光男)
中尾ちゑこ(本名・中尾千恵子)
1969年、天理大学卒。1970〜1976年、日本電気精器(株)、(株)コマツ勤務。1976年、(有)マルナカ翻訳エージェンシー、1980年、海外ビジネス情報を提供する(株)マルナカインターナショナルを設立。2000年〜、日本のスキンケア商品のロシアへの輸出開始。日系企業の貿易、販売代行、事務所設立手続き、ロシア市場調査、ロシア企業とのビジネスマッチングに従事。その他、ロシアビジネスセミナー講師、ロシア市場について業界紙への執筆。
モスクワ及び地方都市への訪ロ回数は100回を超える。現在──(株)マルナカインターナショナル代表。
著書──『ロシアン・ビューティ』(東洋書店)、『つるし雛の港』(文芸社)、「プチャーチン異聞」(『異郷に生きるVI』成文社所収)、『熱海残照』(羽衣出版、第20回伊豆文学賞受賞)。
長縄光男(ながなわ・みつお)
1941年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。横浜国立大学名誉教授。著書に『ニコライ堂の人びと』(現代企画室)、『ニコライ堂遺聞』『評伝ゲルツェン』(ともに成文社)、『ゲルツェンと1848年革命の人びと』(平凡社新書)など、編著に『異郷に生きる』シリーズ全6巻(成文社)など。