編訳者まえがき
1914年の日記
1915年の日記
1916年の日記
1917年の日記(1918年1月2日まで)
プリーシヴィン略年譜(1873-1920)
付録三題
ミハイル・ミハーイロヴィチ・プリーシヴィン
1873年、旧オリョール県の商家に生まれ、早くに父を亡くす。中学を放校になったあと、革命運動で逮捕、投獄(1年)。長く警察の監視下にあったが、ドイツのライプツィヒ大学(農学)へ。1907年、『森と水と日の照る夜』(セーヴェル民俗紀行)を発表、作家活動を開始した。ロシア各地を放浪しながら、多くの紀行文(オーチェルク)、童話、エッセイ、小説を書き継ぎ、自然、歴史、民俗をテーマとした哲学的でリリカルな詩の世界を表出する一方で、自然、動植物、菌類、個、集団、社会、自由、女性性、革命、戦争、独裁、粛清について、詳細かつ厖大な記録(日記)を誌し続けた。ロシアの自然が産んだ稀有の個性である。1954年、モスクワで死去。自伝的長編『カシチェーイの鎖』、『ツルの故郷』『ベレンヂェーイの泉』『チョウセンニンジン』『大王の道』『現代物語』『太陽の蔵』『大地の目』、邦訳に「森と水と日の照る夜ーセーヴェル民俗紀行」、『巡礼ロシア──その聖なる異端のふところへ』、『ロシアの自然誌──森の詩人の生物気候学』、『森のしずく』、『裸の春──1938年のヴォルガ紀行』、『プリーシヴィンの森の手帖』(太田正一編訳)など。
太田 正一(おおた・しょういち)
詩人・ロシア文学者。1945年、白石市生まれ。早稲田大学大学院修了。著書――連作エッセイ『森のロシア 野のロシア』(群像社)、詩集『惑星監獄の夢』(埴輪)、長編詩三部作『頭痛天体交響楽』(珠真書房)、詩集はいずれも筆名キキ。訳書――プリーシヴィン『ロシアの自然誌』、『森のしずく』(ともにパピルス)、『巡礼ロシア』(平凡社)、『森と水と日の照る夜』、『プリーシヴィンの森の手帖』(ともに成文社)、『裸の春』(群像社)。マーミン=シビリャーク『森の物語』(リャビンカ-カリンカ)、ウラル年代記三部作「春の奔流」「森」「オホーニャの眉」(群像社)。ヤーシン『はだしで大地を』(群像社)。クラスコーワ編『クレムリンの子どもたち』(成文社)。カザケーヴィチ『落日礼讃』(群像社)。ドストエーフスキイ『おかしな人間の夢』(論創社)。共訳書に『ゴーゴリ全集』(河出書房新社)、学研版世界文学全集『ゴーゴリ』『チェーホフ』ほか。