マサリクとチェコの精神


「マサリクとチェコの精神」書影 アイデンティティと自律性を求めて

石川達夫著
A5判上製/310頁/定価(本体3800円+税)

マサリクの思想が養分を吸い取り、根を下ろす土壌となったチェコの精神史とはいかなるものであり、彼はそれをいかに見て何を汲み取ったのか?宗教改革から現代までのチェコ精神史をマサリクの思想を織糸として読み解く。95年度サントリー学芸賞・木村彰一賞同時受賞。
1995.05
2004.03第二刷


書評・紹介
'05.10.20 書評 週刊文春(米原万里氏)
'99.05.16 記事 信濃毎日新聞(長縄光男氏)
'96.10.01 書評 ロシア史研究No.58(長與進氏)
'95.12.12 選評 サントリー学芸賞・ 思想・歴史部門選評(中埜肇氏)
'95.12.24 記事 朝日新聞(轡田隆史氏)
'95.07.14 書評 週刊読書人 (林忠行氏)
'95.07.09 書評 信濃毎日新聞(飯島周氏)
'95.06.28 書評 聖教新聞
'95.06.11 書評 日経新聞(塚本哲也氏)
'95.06.05 書評 毎日新聞

目次
  1. マサリクとチェコの宗教改革
    1. ヤン・フス
      1. チェコの宗教改革の始まり――フスの先行者たち
      2. フス
      3. フス以後――フス派とカトリックとの闘い
      4. フス派内部の諸派と抗争
    2. ペトル・ヘルチツキー
      1. 非暴力主義・無抵抗主義の伝統とヘルチツキー
      2. 『信仰の網』
      3. ヘルチツキーの思想における二元性
    3. チェコ兄弟教団
      1. 兄弟教団の成立
      2. 兄弟教団の発展
      3. 他派との関係
      4. 兄弟教団の滅亡
    4. ヤン・アーモス・コメンスキー
      1. コメンスキーの生涯
      2. コメンスキーの基本思想――光と平和への道、教育と汎知
    5. マサリクとチェコの宗教改革
      1. マサリクとフス
      2. マサリクとヘルチツキー
      3. マサリクとチェコ兄弟教団
      4. マサリクとコメンスキー
  2. マサリクとチェコの民族復興運動
    1. ヨゼフ・ドブロフスキーとヨゼフ・ユングマン
      1. チェコの民族復興運動の始まり――『チェコ語の擁護』
      2. 啓蒙主義とヨーゼフの改革――民族復興運動発生の土壌
      3. 第一期の覚醒者たち
      4. ドブロフスキー
      5. ユングマン
      6. 偽の手稿
    2. ヤン・コラールとフランチシェク・パラツキー
      1. コラール
      2. パラツキー
    3. カレル・ハヴリーチェク
      1. ハヴリーチェクの生涯
      2. ハヴリーチェクの思想
    4. マサリクとチェコの民族復興運動
      1. マサリクとドブロフスキー
      2. マサリクとユングマン
      3. マサリクとコラール
      4. マサリクとパラツキー
      5. マサリクとハヴリーチェク
  3. マサリクと同時代
    1. 自殺傾向と巨人主義
      1. 近代の病理現象としての自殺
      2. 巨人主義の克服と人間性の哲学
    2. 民主主義と自由
      1. 神権政治から民主政治へ――民主主義の歴史哲学
      2. 人間観としての民主主義
      3. 自由と責任
      4. 制度と自発性
      5. 民主主義と仕事
      6. 民主主義の基礎としての個人の自律性
      7. マサリクの民主主義思想の意味――大審問官ならずしてイエス
    3. 社会主義と共産主義
      1. マサリクと社会主義および共産主義
      2. マサリクとマルクス主義
      3. マサリクとボルシェヴィズム
      4. マサリクの遺産
    4. ヤン・パトチカ
      1. パトチカの生涯
      2. パトチカのマサリク論
      3. 晩年のパトチカのベネシュ批判と「憲章七七」――犠牲の意味
    5. ヴァーツラフ・ハヴェル
      1. ハヴェルの生涯
      2. 権力との闘い――「反政治的政治」
      3. 現代の危機――近代合理主義と消費主義との出会い
      4. 現代におけるアイデンティティの危機
      5. 「実存的革命」と「反政治的政治」――人間のアイデンティティと自律性を求めて
      6. 平和主義対抵抗主義
      7. 危機の現代におけるハヴェルの思想の意義

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