イワンのくらしいまむかし
ロシア民衆の世界
中村喜和編
四六判上製/272頁/定価(本体2718円+税)
ロシアで「ナロード」と呼ばれる一般の民衆=イワンたちはどんな生活をしているだろうか?「昔ばなし」「日々のくらし」「人ともの」「植物誌」「旅の記録」。五つの日常生活の視点によってまとめられた記録、論稿が、ロシア民衆の世界を浮かび上がらせる。(1994.12)
目次
- 昔ばなし
- 伝承のかたち
- 語り手たち
- 男の語り手
- 女の語り手
- 職業的語り手
- ロシア魔法昔話の儀礼性と形式
- 昔話が語られるとき
- 前語り
- 語りはじめ
- 語りおさめ
- ヤガーばあさんの起源
- 恐ろしくてたのもしい存在
- アファナーシエフの説
- プロップの説
- イニシエーション儀礼との関連
- 死の観念との関連
- 母権制との関連
- プロップ批判
- プロップ以降
- おわりに
- 足のむくまま、気のむくままに――無限へのあこがれ
- 日本におけるロシア昔話
- 翻訳のむずかしさ
- 空間感覚のちがい
- 無限をあこがれるロシア人
- フィールド・ワークの方法
- 方法論の盛況
- 集団探訪の指針
- われわれにとっての教訓
- 日々のくらし
- 風呂と民間信仰
- 蒸風呂とは
- モスクワの風呂
- 風呂にまつわる民間信仰
- 狐の医者
- 婚礼と呪術師
- マクシーモフの絵
- 『昔話集』の中の呪術師と婚礼
- 婚礼を訪れる呪術師
- 婚礼の構造における呪術師
- ウクライナの衣裳
- 歴史の産物としての衣裳
- 素材
- 男の衣服
- 帯と履きもの
- 被りもの・髪型・髭
- 女性の衣服
- 帯・履きもの
- 髪飾り・被りもの・髪
- 上衣の特徴
- 羽織るタイプの上衣
- 基本の上衣
- 二着目の上衣
- カルパチア山岳民の上衣
- ロシア食物誌
- 日常食
- 農民の食事
- ツァーリ・貴族の食卓
- 商人の食卓
- 人ともの
- ステップの旅人――チュマークたち
- チュマークと呼ばれた人びと
- チュマークの歴史
- 芸術にみるチュマーク
- ボロムリャのチュマーク
- チュマーク魂
- ルドチェンコの功績
- ある農民の出稼ぎ
- トルストイ主義者コミューン盛衰記
- トルストイ主義とは
- モスクワ菜食主義者協会
- コミューン「生活と労働」
- 移住計画
- シベリアでの生活
- トルストイ学校
- 崩壊
- トルストイのつくったカレンダー
- 人形芝居「ヴェルテープ」
- 「ヴェルテープ」との出会い
- ヴェルテープとは何か
- ロシアのヴェルテープ
- ヴィノグラードフの記述に見るヴェルテープ
- その後のヴェルテープ
- 植物誌
- ナナカマドの四季
- もっともロシア的な木
- 花と葉
- ナナカマドの霊力
- 「丸くて赤いもの」
- さまざまな利用法
- 異界に通じる眠り草
- 生死の境界としての眠り
- 植物の眠り
- 可憐な花の大きな力
- 宝探しのシダの花
- 埋められた宝
- 光輝く花
- シダの花の力
- シダの花を採る方法
- シダという草
- 伝説のシダはどのシダか
- 母なる草プラクーン
- ミソハギの神秘
- 魔よけの草
- プラクーンと露
- プラクーンと赤
- 限りない十字
- 母なるハギ
- イワン・ダ・マリヤ――三色すみれ
- 「野生の思考」と三色すみれ
- ブラートキからイワン・ダ・マリヤへ
- イワン・ダ・マリヤの伝説
- イワン・クパーラとイワン・ダ・マリヤ
- クパーラの歌におけるイワンとマリヤ
- マリヤとモレーナ
- ピリニャークの「イワン・ダ・マリヤ」
- 「イワン・ダ・マリヤ」あるいはロシアの「パンセ・ソヴァージュ」
- 旅の記録
- モスクワのマリヤ
- 出会い
- 鳩の伝説
- まだらのめんどり
- 再訪
- かぶ
- 蛙の王女
- 二人の民衆詩人
- ニコライ・フォーキン(ヴォログダ州)
- ソフィア・ブランク(オリョール州)
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